2019年2月例会の様子

時代を超えて輝きを増す松下幸之助の実践経営の真髄とは!
古望 高芳氏 三方よしビジネスサポート研究所所長

茨城県経営品質協議会は2月20日(水)水戸プラザホテルに於いて、三方よしビジネスサポート研究所の所長古望 高芳氏を講師に招き、50名を上回る参加者のもと2月例会(講演会)を開催しました。
テーマは、『時代を超えて輝きを増す松下幸之助の実践経営の真髄とは!』です。

今回のお話で[対]になるキーワードは次の通りで

① 目に見えるもの ⇔ 目に見えないもの
② 手段 ⇔ 目的
③ 私 ⇔ 公
というものです。
目に見えるものの比率は7分の1、そして目に見えないものの比率は7分の6と語られる。
この目に見えないものの比率に特にウエイトを置いたのが、松下幸之助という経営者とのことです。
特に『経営理念』を目にみえないものとして、重要視していました。
筆者の会社におきましても、この経営理念を重要視しておりますが、朝礼で唱和するだけではなく、重要な会議の前には、この経営理念を唱和する、とい

う形から入って会議を始めるようにしています。これは、松下幸之助の考え方に倣ったものです。
というのも松下幸之助の場合、経営理念は、事業の「志」を示すものでした。

経営理念を(志)として置き換えたとき、経営理念以下は、⇒戦略(道筋)⇒実行計画(計画)⇒マネジメント(実行)というフローになります。 この経営のフローの一貫性や整合性にこだわってきたのが、松下幸之助の経営の真髄に近づくキーワードとなります。
還元すると、経営理念は、事業の「目的」であり、目にみえないもの、それを目にみえる形に置き換えたものが経営理念以下の「手段」になります。
松下幸之助は、会社とは何かという問いにこう答えています。
『会社は、国民の共有財産である』と。
また『企業は、社会生活の改善向上を図り、世のため、人のために尽くす公器』だと。
特にものづくりの前に、人をつくる人材育成を重要視していたことは、有名なお話しです。
連想するのは、NHKスペシャルで、没後20年になる司馬遼太郎の特集がありました。「日本人とは何者か、司馬遼太郎の思索の旅」と題する番組でした。これは司馬遼太郎が執筆した「この国のかたち」という本を題材に制作された番組です。
ここでも、「日本人は常に緊張している。
それは公の意識を持っているからだ。」
という『公』という言葉がでてきます。
経営品質的な視点で捉えるならば、企業には、先代たちが培った技術やサービスといった独自能力をそれぞれがもっていらっしゃると思いますが、公の意識の中で振り返ったとき、果たして「我が社は、社会に役に立つ会社として成長しているか」という問いにどれだけの企業が答えられるものでしょうか。

運営委員 清水 賢一