成長するためには、成果や生産性を考えず、慣れるべき作業に長時間費やしてもいい環境をまず確保することです。会社は若いみなさんが失敗から学べるように色々と配慮しているはずです。こうしたことには十分甘えましょう。このように若い時に大目に見てくれたことへの恩には、成長してから少しずつ会社に還元していけばいいのです。しっかりと成長し続ける。このことが若いみなさんが会社から求められていることです。
「わかる」と「できる」は違います。何度も何度も大きな声で挨拶する練習をするから、体が覚えるのです。繰り返し資料を作成するから、資料作りのコツを覚えるのです。一度にいろいろなものを覚えようとせず、どんな小さな作業も「できる」まで長時間やり続けることが大切です。こうして成長を実感しながら大樹の年輪のように少しずつ成長していくことを私たちはちょっと難しい言葉で「社員重視」と呼んでいます。
四つ目は「社会や周りの人々の困りごとに関心を持つ」ということです。社会起業家という言葉があるように最近は社会の困りごとを解決することを目的に事業を起こす人が増えてきています。自分がうまくいっていれば、あるいは自分の会社がうまくいっていれば「それでいい。」という考え方はもしかしたら古いのかもしれません。自分が生活している地域や街、あるいは地球全体がよりよい環境になるために微力だけど貢献していく。そのような働き方が時代の波に乗った働き方かもしれません。大きなことを考えず、まずは身の回りで起きている困り事や課題に関心を持つことからスタートです。そして困っている人がいたら、何に困っているかを聴いてあげるだけでなく、困っているという気持ちに共感し、そっと寄り添ってあげることができたら、その人はそれだけでずいぶん気持ちが落ち着き、前に向けて一歩踏み出せるのではないでしょうか。地域や人々の困り事や課題に関心を持つことを私たちはちょっと難しい言葉で「社会との調和」と呼んでいます。
経営品質とはこの「顧客本位」「独自能力」「社員重視」「社会との調和」の要素を含めた目指す姿を明らかにし、その実現に向けて活動をしていくことです。目指す姿は組織でも描けますが、個人でも描くことができます。みなさんだったらどんな目指す姿を描きますか。目指す姿を描き、その実現のために行動する。ICPEではこれこそが時代の波に乗る働き方だと考えています。
こうした働き方をする若者がたくさん増えていくこと、そうしてこうした若者がたくさん集う組織をつくること。そのために私たちは様々なサービスを企画し展開していきます。
若いみなさん、一緒に学びましょう。企業のみなさん、一緒にこうした組織づくりを目指していきましょう。
経営品質の向上とは、組織が継続的に経営革新に取り組み、「卓越した経営」を「目指す姿」としています。 「抜きんでる」「際だつ」というニュアンスに近いものです。特に「独自性」を重視しています。平均的や平凡な考え方や方法ではなく、独特で他に類を見ない考え方ややり方を創り出すことを目指します。 そのためには、経営を革新するための考える枠組みが必要です。それがアセスメント基準書です。 このアセスメント基準書は、組織を変革するための「思考の枠組み」を提供しております。 前提となる価値観をまとめたものが、「基本理念」です。 経営を革新する際に、経営のプロセスやシステムを検討します。その際にどのような「考え方」を用いるかということに直面します。その際に「答え探し」ではなく、「こう考えてみてはどうだろう」という「問い探し」が望まれます。その問い探しに役立つ考え方をまとめたものが「重視する考え方」です。 この「目指す姿」「基本理念」「重視する考え方」で経営革新を進めていただきたいと思います。
組織の「あるべき姿」や「望ましさ」を明確にし、事実として存在する様々な経営事象を「あるべき姿」から認識し、最前の意志決定を行おうとする「価値前提」による意志決定を強調しています。
「カテゴリー」は、どの組織にも共通する経営全体を見る要素を8つに分類したものです。それぞれのカテゴリーから経営活動の状態を多面的に評価するとともに、カテゴリー間のつながりも見ることで、複雑な要因が絡み合う課題を多様な視点で深く掘り下げることができます。 各カテゴリーには、さらに区分された17のアセスメント項目で構成されています。実際の審査におけるアセスメントは、このアセスメント項目単位で実施することとしています。
全体を表すものが下の図です。各カテゴリーの()内は、1000点満点の配点です。アセスメントを行うことで、「組織の成熟度」がわかるとともに、点数化することが可能です。
「基本理念」や「重視する考え方」を使って「理想的な姿」を具現化するためにこの「フレームワーク」を使ってアセスメントを行います。アセスメントは経営の実務を評価するのですが、常に「基本理念」や「重視する考え方」をふまえて思考や対話をすることが大切です。実務を、概念に立ち返ってアセスメントする「理論的な整合性」が重要です。
その一方で、「概念構成」という理論が重要でも、実際の経営資源や環境を考えると実務上実行が難しい場面もあります。アセスメントは結果を行動に移し、成果をあげることが大切です。「実務につながらない」ことは意味がありません。実務上無理はないかという「実務的妥当性」を検証することもあわせ大切なことです。