2018年10月例会の様子 取り調べのプロが教える!! 相手のホンネの引き出し方 森 透匡(ゆきまさ)氏 株式会社クリアーウッド代表取締役 NPO法人茨城県経営品質協議会では10月18日水戸プラザホテルに於いて、10月例会を開催しました。今回は元刑事という異色の経歴を持つ(株)クリア―ウッドの代表取締役を務める森 透匡氏をお迎えして『取り調べのプロが教える!!相手のホンネの引き出し方』をテーマに約60名の受講者を前にご講演をいただきました。始めに「森先生のプロフィール」をご紹介します。森先生は、警察の元警部として、主に知能・経済犯担当の刑事を約20年経験されています。刑事時代には国政選挙などの選挙違反事件、首長や公務員による贈収賄事件、数十億円被害の大型詐欺事件や業務上横領事件など多数の事件捜査を経験。その刑事歴20年の経験から多種多様な人物の事情聴取を行い、人間心理やウソの見抜き方を体得されたそうです。そして27年間勤められた警察を退職後独立され、刑事時代に培った知識やスキルを刑事塾を開講され、昨年度は「ウソ(人間心理)の見抜き方」をテーマに教育機関、士業団体、経営者団体、民間企業から依頼を受け全国182ヶ所に於いて講演・セミナー・企業研修を行い「究極の心理学だ!」「おもしろい!」と人気を博されているそうです。 「ホンネの引き出し方」どうしたらホンネを引き出せるでしょうか。大変難しい質問である。森先生は「自主的に本音を話したくなる気持ちを起させることだ」と語る。強引に本音を聞き出すのではなく、相手が「自然に」本音を言ってくれるように、こちら側がリードすることが重要と語る。その中で「ホンネとは?」との理解が極めて重要となり、ホンネとは「本心」から出た言葉であり人間は「建前」と「本音」を使い分け、建前は悪まで表向きの考えだけであって、本音の場合は「本心」で心を開く自己開示が大事であると示された。そして次の様な信頼関係構築の独自のプロセスを提言されている。 「信頼関係構築プロセス」ホンネが聴けるとどうなるのか… 「ホンネを知りたい」は常に他人と関わる人間の根源的な欲求のひとつ。人は互いに心を開いて話し合うことで親しくなる、(1ステップ)ホンネが聴けると理解が深まり、絆が強くなる、(2ステップ)それらの結果「信頼関係」が深まる(3ステップ)とあります。ホンネで話せる関係性が深まれば人の繋がりが強くなり、組織は強固になります。建前しか話せない関係では、今存在する問題はどんどん大きくなり、気付いた時には解決できないほど大きくなってしまうものです。ホンネで話せる職場や家庭環境を築きたいものです そこで、森先生から自己開示しない人の「開示しない理由」の分析結果が示された。1)現在の関係性(バランス)を壊したくない2)理解されることへの不安3)相手の反応への不安。などが紹介された。経営品質の考え方でも、不安を取り除く不断からの対話、特にそれらをダイアログといって「対話による知の創造」分野に於いて重要視しています。 聞く側の基本的な立場 ホンネの対話に必要な条件も紹介された。以下の5点である。1)「この人ならわかってくれる」と思わせる2)嫌われないようにする3)裁く立場ではなく、一緒に問題解決をする立場であることを認識させる4)相手に敬意を払い、偏見は避ける5)悪い未来を考えさせない~言葉の使い方に注意する、などである。 そして最も重要なホンネを引きだすポイントは「私はあなたのこと(立場・事情)を理解していますよ!」というメッセージを常に送り続けること。として締められている。 最後に紹介されたのは森先生の長きに渡る刑事の体験から、「刑事が現場で人間心理を読む着眼点」や「刑事はどうやってウソを見抜くのか」など、尋問のプロの技が紹介されました。質疑応答時間には沢山の質問に対し真摯にご回答をいただき且つご講演全般に渡りまして具体的な事例や体験を中心に話され、加えて設問なども提示されるなど、解かり易い講演内容となりました。 森 透匡先生に心から感謝のエールを贈りたいと思います。 誠にありがとうございました。 事務局長 菊池 信雄
2018年10月例会の様子 取り調べのプロが教える!! 相手のホンネの引き出し方 森 透匡(ゆきまさ)氏 株式会社クリアーウッド代表取締役 NPO法人茨城県経営品質協議会では10月18日水戸プラザホテルに於いて、10月例会を開催しました。今回は元刑事という異色の経歴を持つ(株)クリア―ウッドの代表取締役を務める森 透匡氏をお迎えして『取り調べのプロが教える!!相手のホンネの引き出し方』をテーマに約60名の受講者を前にご講演をいただきました。始めに「森先生のプロフィール」をご紹介します。森先生は、警察の元警部として、主に知能・経済犯担当の刑事を約20年経験されています。刑事時代には国政選挙などの選挙違反事件、首長や公務員による贈収賄事件、数十億円被害の大型詐欺事件や業務上横領事件など多数の事件捜査を経験。その刑事歴20年の経験から多種多様な人物の事情聴取を行い、人間心理やウソの見抜き方を体得されたそうです。そして27年間勤められた警察を退職後独立され、刑事時代に培った知識やスキルを刑事塾を開講され、昨年度は「ウソ(人間心理)の見抜き方」をテーマに教育機関、士業団体、経営者団体、民間企業から依頼を受け全国182ヶ所に於いて講演・セミナー・企業研修を行い「究極の心理学だ!」「おもしろい!」と人気を博されているそうです。 「ホンネの引き出し方」どうしたらホンネを引き出せるでしょうか。大変難しい質問である。森先生は「自主的に本音を話したくなる気持ちを起させることだ」と語る。強引に本音を聞き出すのではなく、相手が「自然に」本音を言ってくれるように、こちら側がリードすることが重要と語る。その中で「ホンネとは?」との理解が極めて重要となり、ホンネとは「本心」から出た言葉であり人間は「建前」と「本音」を使い分け、建前は悪まで表向きの考えだけであって、本音の場合は「本心」で心を開く自己開示が大事であると示された。そして次の様な信頼関係構築の独自のプロセスを提言されている。 「信頼関係構築プロセス」ホンネが聴けるとどうなるのか… 「ホンネを知りたい」は常に他人と関わる人間の根源的な欲求のひとつ。人は互いに心を開いて話し合うことで親しくなる、(1ステップ)ホンネが聴けると理解が深まり、絆が強くなる、(2ステップ)それらの結果「信頼関係」が深まる(3ステップ)とあります。ホンネで話せる関係性が深まれば人の繋がりが強くなり、組織は強固になります。建前しか話せない関係では、今存在する問題はどんどん大きくなり、気付いた時には解決できないほど大きくなってしまうものです。ホンネで話せる職場や家庭環境を築きたいものです そこで、森先生から自己開示しない人の「開示しない理由」の分析結果が示された。1)現在の関係性(バランス)を壊したくない2)理解されることへの不安3)相手の反応への不安。などが紹介された。経営品質の考え方でも、不安を取り除く不断からの対話、特にそれらをダイアログといって「対話による知の創造」分野に於いて重要視しています。 聞く側の基本的な立場 ホンネの対話に必要な条件も紹介された。以下の5点である。1)「この人ならわかってくれる」と思わせる2)嫌われないようにする3)裁く立場ではなく、一緒に問題解決をする立場であることを認識させる4)相手に敬意を払い、偏見は避ける5)悪い未来を考えさせない~言葉の使い方に注意する、などである。 そして最も重要なホンネを引きだすポイントは「私はあなたのこと(立場・事情)を理解していますよ!」というメッセージを常に送り続けること。として締められている。 最後に紹介されたのは森先生の長きに渡る刑事の体験から、「刑事が現場で人間心理を読む着眼点」や「刑事はどうやってウソを見抜くのか」など、尋問のプロの技が紹介されました。質疑応答時間には沢山の質問に対し真摯にご回答をいただき且つご講演全般に渡りまして具体的な事例や体験を中心に話され、加えて設問なども提示されるなど、解かり易い講演内容となりました。 森 透匡先生に心から感謝のエールを贈りたいと思います。 誠にありがとうございました。 事務局長 菊池 信雄