2019年新春月例会の様子 『日本全薬工業の経営革新~全社員がとことん考え、行動する企業風土に~』 高野 恵一 氏 日本全薬工業株式会社 取締役相談役 (前代表取締役社長) NPO法人茨城県経営品質協議会は、1月22日(火)水戸プラザホテルに於いて、2016年度日本経営品質賞を受賞された日本全薬工業株式会社、受賞当時の代表取締役社長でおられました高野恵一現取締相談役をお迎えし、新春月例会を開催しました。当日は約45名の皆様にご参加をいただきました。 日本全薬工業株式会社(ゼノアック)は、独自のコア・コンピタンス経営を基盤に、動物用医薬品を通して、国内は勿論のこと、世界の動物の価値を高めることに貢献し、お客様に笑顔と安心を、社員に喜びを、そして社会に幸せを提供し続けることを理想の姿に掲げ、1946年創業、今年で73年を迎えております。 ゼノアックが日本経営品質賞を受賞するまでの独自の取り組みを以下にまとめました。 ●2008年度から経営品質活動を取り組まれたきっかけ 当時「ゼノアックの社員たちは主体業務をどれだけやっているのか?」高野氏は日々そう感じていたそうです。全社員がとことん考え、行動する企業風土に変えるにどうすればいいのか。「単に言われたからやるのではなく自主的に考える」ことを一つの定義として捉え「自分で考えましょう 気づいたことをさぁ生かしましょう」このメッセージを全社員に徹底させようと思ったと語られました。 ●組織プロフィールで経営課題を明らかにする まず、第1に理想とする姿を描くことから始め、第2に理想的な姿をもとに現状を分析する。第3に3つの視点(顧客市場・競争環境・経営資源)から問題を明らかにする。そして第4に問題を関係づけ、掘り下げて課題化する。最後に、課題達成の道筋を描く。このサイクルを明確化することが大切だという。 ●経営品質活動を成功させる組織状態の変革 高い顧客価値が生み出せる組織には健全性が必要であると考えることから・・ 1 意識改革ができる組織・・みんなの問題意識が高くなる。 2 理論的な思考を重視する組織・・専門性について考えられる。 3 傾聴と対話を重視する組織・・相手を尊重してそれぞれの意見から掘り下げている。 この傾聴と対話は役員自ら話合いに参加することで社員との距離感が一気に縮んだという。 4 自主的に行動することを重視する組織・・そうか!という気づきから自主的に実行する。 この繰り返しの行動が顧客価値成果に結びついていくという。 ●日本経営品質賞受賞の3つの強みについて ①業務の卓越性(業務価値)全社・部門別セルフアセスメントによる組織革新 ②顧客との親密性(顧客関係価値)直販システムによる「課題解決型営業」を展開 ③製品優位性(製品価値)研究開発機能強化とインフラ整備による次世代CC製品の創出 以上の3点が強みとして評価されたということです。 その中の、業務の卓越性では、全員参加の部署別アセスメントの実現や日常業務と部署別アセスメントの融合、クロスアセスメントの実施に向けて認定セルフアセッサーの育成に全社を挙げて取り組まれました。そして2009年、2名の取得からスタートし、2018年には累計59名のセルフアセッサーが誕生されています。 成功の要諦としては「アセスメント基準のフレームワークを作成し、戦略・組織・業務・結果・振り返りのサイクルを繰り返していくことで、全社員が理解できる環境を作り上げることができた」と語られました。 また、部署別セルフアセスメントから見えてきたこととして、特に重点を置いたキーポイントは、部署長とアセッサーのコンビであったと言う。 現状把握、評価の視点、強み、改善課題そこから見える問題点を改善するための戦略、シナリオを作り、業務計画に反映する戦略策定をすることで、ストーリーを重視した成果にコミットされ、戦略と組織運営の一体化になったと思いを話されました。 講演の中では、日本全薬工業の企業動画を視聴させていただき歴史を感じるとともに創業者の情熱が伝わりました。そして、今回のテーマでもあります、全社員がとことん考え、行動する企業風土に繋がっている姿を動画を通して社員たちの笑顔からも感じることができました。 最後に出席者の受講後アンケートをご紹介しましょう。 計画的なアセッサー育成やアセスメントの実施結果を次期方針に反映させる点、また何年にも渡り継続させている点に感銘した(I氏)試行錯誤の連続、経営改革の実践事例など解かりやすい講演内容で参考になった(O氏)組織プロフィール作成を始めとする経営品質の基本の理解を社内で共有し且つ第1戦現場まで徹底をはかり続けていることに脱帽した(F氏)。など数々の声が寄せられました。 より良くする答え探しをするのではなく、仕事の手順ややり方を変える問い探しを!次なる経営品質活動へつなげていく成長し続ける素晴らしい企業であると実感しました。 運営委員 谷萩寛子
2019年新春月例会の様子 『日本全薬工業の経営革新~全社員がとことん考え、行動する企業風土に~』 高野 恵一 氏 日本全薬工業株式会社 取締役相談役 (前代表取締役社長) NPO法人茨城県経営品質協議会は、1月22日(火)水戸プラザホテルに於いて、2016年度日本経営品質賞を受賞された日本全薬工業株式会社、受賞当時の代表取締役社長でおられました高野恵一現取締相談役をお迎えし、新春月例会を開催しました。当日は約45名の皆様にご参加をいただきました。 日本全薬工業株式会社(ゼノアック)は、独自のコア・コンピタンス経営を基盤に、動物用医薬品を通して、国内は勿論のこと、世界の動物の価値を高めることに貢献し、お客様に笑顔と安心を、社員に喜びを、そして社会に幸せを提供し続けることを理想の姿に掲げ、1946年創業、今年で73年を迎えております。 ゼノアックが日本経営品質賞を受賞するまでの独自の取り組みを以下にまとめました。 ●2008年度から経営品質活動を取り組まれたきっかけ 当時「ゼノアックの社員たちは主体業務をどれだけやっているのか?」高野氏は日々そう感じていたそうです。全社員がとことん考え、行動する企業風土に変えるにどうすればいいのか。「単に言われたからやるのではなく自主的に考える」ことを一つの定義として捉え「自分で考えましょう 気づいたことをさぁ生かしましょう」このメッセージを全社員に徹底させようと思ったと語られました。 ●組織プロフィールで経営課題を明らかにする まず、第1に理想とする姿を描くことから始め、第2に理想的な姿をもとに現状を分析する。第3に3つの視点(顧客市場・競争環境・経営資源)から問題を明らかにする。そして第4に問題を関係づけ、掘り下げて課題化する。最後に、課題達成の道筋を描く。このサイクルを明確化することが大切だという。 ●経営品質活動を成功させる組織状態の変革 高い顧客価値が生み出せる組織には健全性が必要であると考えることから・・ 1 意識改革ができる組織・・みんなの問題意識が高くなる。 2 理論的な思考を重視する組織・・専門性について考えられる。 3 傾聴と対話を重視する組織・・相手を尊重してそれぞれの意見から掘り下げている。 この傾聴と対話は役員自ら話合いに参加することで社員との距離感が一気に縮んだという。 4 自主的に行動することを重視する組織・・そうか!という気づきから自主的に実行する。 この繰り返しの行動が顧客価値成果に結びついていくという。 ●日本経営品質賞受賞の3つの強みについて ①業務の卓越性(業務価値)全社・部門別セルフアセスメントによる組織革新 ②顧客との親密性(顧客関係価値)直販システムによる「課題解決型営業」を展開 ③製品優位性(製品価値)研究開発機能強化とインフラ整備による次世代CC製品の創出 以上の3点が強みとして評価されたということです。 その中の、業務の卓越性では、全員参加の部署別アセスメントの実現や日常業務と部署別アセスメントの融合、クロスアセスメントの実施に向けて認定セルフアセッサーの育成に全社を挙げて取り組まれました。そして2009年、2名の取得からスタートし、2018年には累計59名のセルフアセッサーが誕生されています。 成功の要諦としては「アセスメント基準のフレームワークを作成し、戦略・組織・業務・結果・振り返りのサイクルを繰り返していくことで、全社員が理解できる環境を作り上げることができた」と語られました。 また、部署別セルフアセスメントから見えてきたこととして、特に重点を置いたキーポイントは、部署長とアセッサーのコンビであったと言う。 現状把握、評価の視点、強み、改善課題そこから見える問題点を改善するための戦略、シナリオを作り、業務計画に反映する戦略策定をすることで、ストーリーを重視した成果にコミットされ、戦略と組織運営の一体化になったと思いを話されました。 講演の中では、日本全薬工業の企業動画を視聴させていただき歴史を感じるとともに創業者の情熱が伝わりました。そして、今回のテーマでもあります、全社員がとことん考え、行動する企業風土に繋がっている姿を動画を通して社員たちの笑顔からも感じることができました。 最後に出席者の受講後アンケートをご紹介しましょう。 計画的なアセッサー育成やアセスメントの実施結果を次期方針に反映させる点、また何年にも渡り継続させている点に感銘した(I氏)試行錯誤の連続、経営改革の実践事例など解かりやすい講演内容で参考になった(O氏)組織プロフィール作成を始めとする経営品質の基本の理解を社内で共有し且つ第1戦現場まで徹底をはかり続けていることに脱帽した(F氏)。など数々の声が寄せられました。 より良くする答え探しをするのではなく、仕事の手順ややり方を変える問い探しを!次なる経営品質活動へつなげていく成長し続ける素晴らしい企業であると実感しました。 運営委員 谷萩寛子