2019年4月例会の様子 「これからの経営設計図による経営の見える化」~ありたい姿の実現に向けて~ 北村 真氏 【㈱セキュリティリサイクル研究所 代表取締役社長】 4月例会は、2018年に(公財)日本生産性本部経営品質協議会で創設された経営デザイン認証のランクアップ認証を取得された、セキュリティリサイクル研究所の北村社長にご登壇頂きました。セキュリティリサイクル研究所は1996年に創業され、現在では約1,000社に文書管理のサービスを提供している東京都の会社です。時代を先取りする文書管理サービスや、組織改革・従業員の働きがいへの取り組みなどに力を入れています。 北村社長のお話を伺い、現在力をいれている取組みを二つの視点でまとめました。 一番目は本質の追求です。これは自分たちの存在意義、コンセプト、お客様に提供したい価値やお役立ちといったことを社内で明らかにし、組織内外に浸透させていることです。ここでは本質を明らかにするだけでなく、浸透するための仕組みが重要です。セキュリティリサイクル研究所では、社員が集まり、対話形式でキーワードを出し合い、それをまとめることで会社のコンセプトを確立したそうです。実際にコンセプトを「オフィスにゆとりある空間と時間」、顧客提供価値を「私たちはお客様の文書管理チームを結成し、期待を超え続けることを約束します!」にしました。社員を巻き込みながら明確にすることで社員にとってもコンセプトや顧客提供価値が他人事ではなく、自分ごとになったのだと思います。こうした社員を巻き込んだ取組みは本質を明確にするだけでなく、浸透していくためにも有効な取組みと思われます。 二番目は、自社の魅力の再発見です。経営品質は卓越した経営、つまり独自性が高く他に類のみない経営を目指すことです。卓越した経営を目指すには、自組織の魅力を知り、それを磨くことが重要です。社員やお客様の声や意見をもとに客観的に自社を振り返ることで自組織の魅力を理解し、それに磨きをかけていくことが重要です。セキュリティリサイクル研究所では経営デザイン認証のフォーマットを活用し、自社の過去を振り返ることから始めました。従業員にも自社の過去を知ってもらうために、創業1996年からの歴史を約12ページにまとめました。そして社内公開し、2018年のGW後に従業員全員に感想文を書いてもらい、それをもとに創業以来、大事にしてきたものはなにかを話し合ったそうです。こうした話し合いから自社が今後も守るべきものや強み、特長があぶり出され、それを基に今後の事業計画が作成されたそうです。自社の魅力を再発見するための取組みとして、自社の過去を振り返ること、特に創業から現在まで大きな環境変化があった時にどのように対応したかの振り返りが、効果的な取組みであると思いました。 最後に北村社長は、今回作成した「これからの経営設計図」は、従業員のみならず、従業員の家族や取引先の銀行、ビジネスパートナーにも読んでもらったそうです。「それによって、社内の団結力・チームワーク、そして社外の方々の私たちの会社への協力体制が醸成されてきたと思っている。」しかし現在、せっかく作り上げたその「これからの経営設計図」を「取り壊しにかかっている」とのことです。「これは自分が作ったものなので、今度は全員で経営設計図の"バージョン2"を作っている。私たちの会社は『全員参加型経営』ということを経営理念に盛り込んでいるが、その第1歩になろうかと期待しながら取り組んでいるところだ。」と述べ、講演を締めくくりました。 (運営委員長 三宅 邦之)
2019年4月例会の様子 「これからの経営設計図による経営の見える化」~ありたい姿の実現に向けて~ 北村 真氏 【㈱セキュリティリサイクル研究所 代表取締役社長】 4月例会は、2018年に(公財)日本生産性本部経営品質協議会で創設された経営デザイン認証のランクアップ認証を取得された、セキュリティリサイクル研究所の北村社長にご登壇頂きました。セキュリティリサイクル研究所は1996年に創業され、現在では約1,000社に文書管理のサービスを提供している東京都の会社です。時代を先取りする文書管理サービスや、組織改革・従業員の働きがいへの取り組みなどに力を入れています。 北村社長のお話を伺い、現在力をいれている取組みを二つの視点でまとめました。 一番目は本質の追求です。これは自分たちの存在意義、コンセプト、お客様に提供したい価値やお役立ちといったことを社内で明らかにし、組織内外に浸透させていることです。ここでは本質を明らかにするだけでなく、浸透するための仕組みが重要です。セキュリティリサイクル研究所では、社員が集まり、対話形式でキーワードを出し合い、それをまとめることで会社のコンセプトを確立したそうです。実際にコンセプトを「オフィスにゆとりある空間と時間」、顧客提供価値を「私たちはお客様の文書管理チームを結成し、期待を超え続けることを約束します!」にしました。社員を巻き込みながら明確にすることで社員にとってもコンセプトや顧客提供価値が他人事ではなく、自分ごとになったのだと思います。こうした社員を巻き込んだ取組みは本質を明確にするだけでなく、浸透していくためにも有効な取組みと思われます。 二番目は、自社の魅力の再発見です。経営品質は卓越した経営、つまり独自性が高く他に類のみない経営を目指すことです。卓越した経営を目指すには、自組織の魅力を知り、それを磨くことが重要です。社員やお客様の声や意見をもとに客観的に自社を振り返ることで自組織の魅力を理解し、それに磨きをかけていくことが重要です。セキュリティリサイクル研究所では経営デザイン認証のフォーマットを活用し、自社の過去を振り返ることから始めました。従業員にも自社の過去を知ってもらうために、創業1996年からの歴史を約12ページにまとめました。そして社内公開し、2018年のGW後に従業員全員に感想文を書いてもらい、それをもとに創業以来、大事にしてきたものはなにかを話し合ったそうです。こうした話し合いから自社が今後も守るべきものや強み、特長があぶり出され、それを基に今後の事業計画が作成されたそうです。自社の魅力を再発見するための取組みとして、自社の過去を振り返ること、特に創業から現在まで大きな環境変化があった時にどのように対応したかの振り返りが、効果的な取組みであると思いました。 最後に北村社長は、今回作成した「これからの経営設計図」は、従業員のみならず、従業員の家族や取引先の銀行、ビジネスパートナーにも読んでもらったそうです。「それによって、社内の団結力・チームワーク、そして社外の方々の私たちの会社への協力体制が醸成されてきたと思っている。」しかし現在、せっかく作り上げたその「これからの経営設計図」を「取り壊しにかかっている」とのことです。「これは自分が作ったものなので、今度は全員で経営設計図の"バージョン2"を作っている。私たちの会社は『全員参加型経営』ということを経営理念に盛り込んでいるが、その第1歩になろうかと期待しながら取り組んでいるところだ。」と述べ、講演を締めくくりました。 (運営委員長 三宅 邦之)