2019年9月例会の様子

笑いの中に学びがある!お客様の心をつかむ売上アップの話し方
谷厚志氏

 NPO法人茨城県経営品質協議会では9月4日水戸プラザホテルに於いて9月例会を開催しました。今回は(一社)日本クレーム対応協会の代表理事を務める谷 厚志氏をお迎えをして「笑いの中に学びがある!お客様の心をつかむ売上アップの話し方」をテーマに55名の受講者を前にご講演をいただきました。実は谷講師の今回の講演は5度目となります。受講者からの高い支持のもと5年連続と云う異例の講演回数となります。それもその通りご本人曰く、僕の年200回を上回る講演会で寝てしまう受講者はこれまでゼロだと語る。リクルート社のお客様相談室で2000件以上のクレーム対応に接してきた実体験、そこから得られたものは一般的なコミュニケーションの解説書では得られぬ興味ある話がたくさんありました。
 今回の講演の内容で特に印象に残った話をご紹介いたします。
谷先生の会社員時代の上司に有田さんという方がいらっしゃいます。その有田さんは「ほめ達人」だそうです。
 あるとき谷先生が、会社に向けたプレゼンテーションを行ったそうです。30分のプレゼンを終えてステージを降りると、有田さんがひとりだけスタンディングオベーションで谷先生を迎えてくれたそうです。そして谷先生に握手を求めながらこう言ったそうです。
「いやぁ~谷さん、すばらしいプレゼンでした。これかなり準備したでしょう?」その通りで、谷先生はこの日のために何日もプレゼンの準備をされたそうです。有田さんは谷先生の仕事ぶりは見ていないはずですが「大変だっただろう」と想像し、谷先生の「取組み」をほめてくれたそうです。その言葉に谷先生はうれしくて「徹夜になるときもあった」と伝えたそうです。すると有田さんはこう言われたそうです。「谷さんは昨年もこの場でプレゼンをされましたよね。昨年と比べると、はるかにプレゼンがお上手になっていますよ!」今度は谷先生の「成長」をほめてくれたそうです。「うわ!そんなにうまくなっていますか?ありがとうございます!」と谷先生が喜んでいると、有田さんは間髪いれずに続けられたそうです。「谷さん、このままだと、あなたとんでもないことになりますねぇ」谷先生は何がとんでもないのかわからなかったそうですが、有田さんは勝手に谷先生の未来を想像して「すごい人物になりますよ」と谷先生の「将来」をほめてくれたそうです。その後谷先生は有田さんと一緒に仕事をされる機会があったそうです。谷先生が有田さんを見てわかったことは、いつも部下をほめていること。そしてほめ方にパターンがあることでした。
有田さんのほめ方のパターンは
1)「取組み」をほめて
2)「成長をほめて
3」「将来」をほめて
いたそうです。そしてこのパターンでほめられた多くの部下が「有田さんにほめられたいからもっとがんばる」という気持ちをもっていたそうです。
 有田さんがすごいのは「目に言えないもの」をほめることです。「目に見えないもの」をほめることで、相手は「自信を持つ」ことができ「この人のためにがんばりたい」と思ってくれるようになると思いました。